2012年3月5日月曜日

サヨナラ 地デジ

・総務省からの予告通知の通り、3月1日からBS経由での地デジにスクランブルがかかって見えなくなった。地元のケーブル局と契約して対応せよというお達しだが、そんな馬鹿なことはする気もない。地デジそのものが国税の無駄遣いだが、それはケーブルテレビにも言えるし、地デジ対応の液晶テレビやチューナーを買わせたことも、ケーブルテレビに契約させたことも、すべて無駄なことだと思うからだ。

・それに何より、地デジ化したテレビ放送自体が、見る気もおこらない無駄なものになっている。そんなテレビとサヨナラするいい機会だと感じている。とは言え、テレビを捨てるわけではない。今までだって、見るもののほとんどはBSか光だったわけだから、数日たっても、テレビ視聴にほとんど何の変化も不都合もおこっていない。

・テレビを見るのはだいたい食事時で、ニュース番組をつけながらというのが習慣だったのだが、去年の3.11以降、報道の作為があからさまで、見ていて信頼できないといよりはインチキと思うことが少なくなかった。その典型は数万人の反原発でもがあっても、一切触れないといったNHKの姿勢だろう。あるいは、原発の現状、電力の不足や料金値上げについての無批判な報道も相変わらずだった。

・対照的にNHKはBSではシリアスなドキュメント番組を積極的に放送をしてきている。アフガニスタン、カンボジア、イラン、シリア、エジプト、リビア、中国、ロシア、アメリカとテーマにする地域は世界中に渡るし、問題についても鋭くついたものが少なくない。だったら日本の問題も同じように取り上げるべきだと思うのだが、身近なことになるととたんに逃げ腰になってしまう。地上波とBSを見比べて思うのは、何よりそんな違いにある。

・1月にNHKのBSが「革命のサウンドトラック〜エジプト・闘う若者たちの歌〜」と題したドキュメント番組を放送した。デモに集まった若者たちが大合唱する歌を作ったミュージシャンたちに注目した内容で、ムバラク政権が倒壊した後も、軍部による暫定政権に対する抗議行動が続いていて、事態が深刻であることが報告されていた。聴いていていいなと思った「カイロキー」という名のバンドをYoutubeで探すと、ビデオがいくつも出てきて、番組で聴いた曲も見つけることができた。たとえば『自由の声』には日本語の歌詞がついている。

・残念ながらAmazonで探してもカイロキーのCDは見つからなかった。しかし、気になることがあって、何か一つでもとっかかりが見つかれば、ネットは、すぐ近くまでたどり着くことを可能にした。今度もまたそんなことを再確認した。であればなおさらと感じたのは、NHKはなぜ日本の各地でおこなわれているサウンドデモのドキュメントを作らないのだろうということだった。

・その様子や新たに作られた反原発の歌はYoutubeで容易に見つけることができるから、ネットを使える人なら世界のどこにいても見つけることができる。ところが地デジだけを視聴している人には、デモがあったことすらわからない。地デジは情報を伝えるメディアではなく、情報を制御し、遮るメディアになっている。ガラパゴス化はケータイ以上で、3.11と地デジ化によってそのことが一層明らかになったといえる。

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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。