・政治のこと、経済のこと、社会のこと、そして文化のことについて、身近な問題としてとらえ、時には行動しなければとこれほどに考える時代が、これまであったのだろうかと思う。ところが一方で、新聞やテレビがこれほど信用できない時代もなかったのではと感じることも多い。
・とは言え、頼りになる、信頼できると思えるジャーナリストや評論家と言われる人もいて、その人達が書いたものや登場するテレビ番組に、これまで以上に注意を向けるようになったのも確かだ。特に3.11以降は原発の是非を巡ってその立場をはっきりさせることが、信頼できるかどうかの基準になった。また、憲法改正の動きやTPP加盟といった問題、あるいはぎくしゃくし始めた韓国や中国との関係への対処法、さらには沈滞する日本経済を立て直すとして安倍首相が掲げた「アベノミクス」に対する評価等々、自分なりに考える上で、意見を参考にする人の数も増えた。
・Youtubeなどのサイトに、地上波やCSの番組が掲載されていて、おもしろい番組があるのを知ったのは3,11がきっかけだった。その中にCSの「朝日ニュースター」という名のチャンネルがあって、僕は愛川欽也が司会をした「パック・イン・ジャーナル」や「ニュース解説 眼」「ニュースの深層」といった番組を見るためにCSと契約をした。そこで神保哲生、青木理、上杉隆などのフリーのジャーナリスト達を知った。
・その「朝日ニュースター」が朝日新聞からテレビ朝日に身売りされて、番組の廃止やキャスター変更になった。同じ時期に京大原子炉実験所助教の小出裕章さんがレギュラー出演していた毎日放送ラジオの「種蒔きジャーナル」も廃止されたから、ぼくは政治的な圧力があったのではと思った。数少ない自由な言論の場が次々と消えていくことに危機感を持ったが、「パック・イン・ジャーナル」は愛川欽也が独自に立ち上げた「KInkinTV」で「パック・イン・ニュース」として生まれ変わることになり、「種蒔きジャーナル」も「報道するラジオ」と名を変えて継続されることになった。
・「パック・イン・ニュース」を見るためには月に1050円の料金が必要だった。僕にとって欠かさずに見る番組だったが、愛川欽也の個人的な理由で1年間で休止になった。そしてこの4月から、この番組にレギュラー出演していた人たちが中心になって立ち上げた「デモクラTV」で継続されている。料金は毎月525円と半額になったが、内容は盛りだくさんで、毎週土曜日の昼に生放送される「本会議」の他に、レギュラー達がそれぞれ、独自の番組を持って、週一回の割で放送している。
・放送されたものはアーカイブに残されているから、暇な時間を見つけて、ほとんどを視聴している。内容は「田岡俊次の軍略探照灯」(軍事問題)、「早野透の時間」(憲法と政治)、「山田厚史のホントの経済」、「池田香代子の100人に会いたい」(インタビュー)、「ウッチーのデモくらジオ」(内田誠のトーク)、「鈴木耕の『原発耕談』」といったもので、短い間に充実した番組作りを成し遂げている。なかなか精力的で、これからもさらに番組を増やして充実させていくつもりだから、月々525円払って是非視聴して欲しいと思う。