2019年3月4日月曜日

なぜこんなひどい政権を支持するのか

 

・政権のひどさはとどまる所を知らないほどなのに、支持率は相変わらず五割前後にとどまっている。信じられない気がするが、そう思い始めてからもう2年も3年も経っている。その間にどれほどのスキャンダルや、行政機関の不祥事が明るみに出たことか。森友・加計問題はうやむやのままだし、文科省、財務省、厚労省、総務省と、官僚制度はがたがたになっている。これはもう犯罪だろうと言うほかはない事件が続いているのに、警察や検察はまったく動こうとしない。

・北方領土の返還交渉ではロシアに押されっぱなしだし、トランプの言うがままに武器や兵器を買わされている。米朝会談については日本は完全に蚊帳の外だ。原発の海外輸出をしきりに宣伝していたが、ヴェトナムやトルコ、そしてイギリスでも、計画が頓挫した。外交の安部を売り物に、しょっちゅう外遊をしてきたが、その成果はほとんどなかったというのが実情だろう。しかしのその間に、海外にばらまいたお金は莫大なものになっている。

・政権は国の現状を明らかにする統計資料にまで都合のいい改竄をしていたという。景気を良く見せるため、実質賃金が上がっているように思わせるため、雇用率が上がっているように見せかけるために、調査方法を変えたのではという疑いである。これは業績不振に陥った企業がする最後の悪あがきとと同じ手法である。結果は状況をさらに悪化させて倒産ということになるが、日本という国がそうならないという保証はどこにもないのである。

・株価と円は、政権の支持率を維持するために欠かせない数字だと言われてきた。しかし、それもまた操作され続けている。株価を維持するために日銀や年金機構が投入している金額もまた莫大なものである。国の借金が1000兆円を超えているというのに、日銀のどこにそんなお金があるというのだろうか。日銀は円を好き勝手に発行できるところだと勘違いしているとしか思えないのである。年金機構は国民の年金を預かっている所である。資産運用によって資金を増やすことを目的にしているとは言え、政権のために大きな損害を被る危険性もある。年金を受給される人たちがどんどん増えて、逆に、納める人たちの数は減るばかりだから、このままではいずれ破綻することは分かっている。

・沖縄で辺野古基地についての県民の考えを問う住民投票が行われた。投票率が50%を越え、その七割以上が反対の意思表示をした。しかし政権はその意思を無視する態度に出て、工事を続行している。そもそも辺野古と普天間は連動などしていなかったはずで、もうとっくに返還されていたはずのものだった。辺野古をやめれば普天間は帰らないというのは、政権の脅しに他ならないのである。もっとも、辺野古には軟弱地盤があって、難しい工事にこれから何年もかけなければならないようである。あるいはできても、滑走路が短いから、普天間はやっぱり使い続けると言われかねないのである。

・こんな状況なのに、面と向かって批判をするメディアは皆無だ。NHKは政権の宣伝機関であることを恥ずかしげもなくあからさまにするようになっている。沖縄での住民投票について、その第一報を、反対が投票者の七割ではなく、全住民の四分の一だと報じたそうだ。少なく見せるこそくなレトリックと言うほかはない。また、「平成」の次は「安」の字をなどというキャンペーンをそれとなく始めているから、独裁政権の宣伝機関とかわらない。

・官房長官の記者会見で孤軍奮闘している東京新聞の望月記者に対して、菅は嫌がらせや、まともに答えないといった態度で対応していたが、よっぽど嫌なのか、排除しようとする強行姿勢を見せた。菅の態度は傲慢だが、記者たちがその場に大勢いるのに、望月記者に加勢する者がほとんどいないというのは、ジャーナリストとは言えない態度だろう。

・でたらめな政権を批判し、ブレーキをかけるのは立法機関である国会の役目だし、犯罪性があれば警察や検察、そして司法の役割である。もちろん、第4の権力と言われるメディアも、もっと強い態度に出なければならないはずだ。それらが無力化しているから、政権を担う者たちは、やりたい放題しても、それがあからさまになっても、すこしもこまらないのである。放っておいたら日本は本当に駄目になる。そんなことがなぜ分からないのだろうか。

・多くの人はうっすらとは分かっていて不安を感じているのだと思う。しかし黙っている。見て見ぬふりをしている。あるいは、そうは悪くはならないだろうと高をくくっているのかもしれない。そうして明るい話題、派手な出来事、卑近のゴシップで不安を紛らわしている。そして、どんなにひどくても、これしか道がないと思わされている。これはひとえにメディアの責任だが、そんなにひどくはないと思いたいという読者や視聴者の責任でもある。だから、後になってだまされたなどとは言えないのである。

・結局、痛い思いをしないと分からないと言うことなのかもしれない。しかし、福島原発事故があっても、再稼働を勧めて電力の基幹であることを変えないから、少しぐらいの痛さでは分からないのかもしれない。いっそ破産でもしたらいい。そんな捨て台詞も吐きたくなる。

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