・アメリカの大統領選挙が混迷状態化しています。共和党のトランプ候補は「冗談から駒」で,放言や暴力沙汰にもかかわらず、予備選で勝ち続けています。支持をするのは白人の貧困層のようで、口にはできない個人的な思いを公言する態度が受けているようです。この人が大統領になったら,いったいどうなるのか。アメリカはもちろん,世界がめちゃくちゃになるのではという恐れも感じます。
・他方で民主党は、クリントンがリードしているとは言え,サンダースの支持も根強いようです。直近のワシントン州(73%)、ハワイ州(70%)、そしてアラスカ州(82%)では圧勝と言っていい結果でした。支持をするのは白人の若者で,インテリ層です。貧困層ではないが学費の負債を抱えたり、就職難に直面して,現在や将来に不安や不満を持つ人たちのようです。
・サンダースは民主社会主義者を表明して、この大統領選のスローガンを「革命に参加せよ」としています。掲げた政策は弱者の立場に立ったラディカルな改革で、仮に大統領になっても,共和党多数の議会の反対にあって,ほとんど実現できないのではないでしょうか。8年前のオバマへの期待が落胆と失望に変わったように、同じことのくり返しになるのかもしれません。
・それでも「今度は」と思って期待する。そんな楽観的で前向きなアメリカ人の姿勢には半ば呆れもしますが,それ以上に感嘆もしてしまいます。理想を掲げる人に対する支持は、日本ではほとんどゼロに近いからです。もっともSEALD's以来、若い人たちの発言や行動が,日本でも目立つようになりました。保育所不足騒動で女たちも怒っています。ただし、この怒りや主張を受け止める政党が日本にはありません。民主党が民進党と名前を変えても、支持率はほとんど上がっていないようです。
・アメリカの大統領選は共和党と民主党の2大政党間で行われています。ただし今回は、トランプもサンダースも党員ではありません。アメリカでも政党不信は大きいのです。だとしたら、日本でも、誰かがはっきりとした主張を掲げて新党を立ち上げ,既成政党がそれに呼応するといった動きが出ないものかとも思います。
・そのためにも、サンダースにはがんばって欲しいです。代議員数ではクリントンに差をつけられているとはいえ、カリフォルニア、ニューヨーク,ペンシルバニアといった大きな州での予備選次第ではどうなるかわかりません。トランプとサンダースによる大統領選では,アメリカは大混乱になるかもしれませんが、安倍政権の思いのままという日本の現状には、大きな波風となってくれるのではないでしょうか。
・既成政党への不信と,左右両極の対立。そんな不満の根源には貧富の大きな格差や現状や未来に対する不安や不満があります。そしてアメリカに追従する日本もよく似た状況にあるのです。毎日がエープリル・フールのような安倍政権の言動や、プチ・トランプが続出している自民党に三行半を突きつけるために、日本にもサンダースが登場して欲しいものだと思います。
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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。