・2016年ももうすぐ終わる。歳を取るごとに1年が早く過ぎると感じるようになった。そして、あと3ヶ月で退職になる。定年よりは2年早い退職だが、もう十分働いたと思う。大学の専任になったのは40歳だったが、その前に30歳前から非常勤で働いてきたから、もう40年ほどになった。長かったなーと思うけれども、あっという間だったと言えなくもない。
・河口湖に住んで東京に車で通う。こんな生活も17年が過ぎた。片道100kmを1時間半ほどかけて運転して、いったいどれほど走ったのだろうか。車の走行距離から言うと、おそらく40万kmぐらいにはなるだろうと思う。地球から月までの距離とほぼ同じだし、地球の円周は4万kmだから10周したことになる。これはやっぱりすごい距離だと思う。
・ゼミで教え、卒論の指導をした学生は、ざっと400名弱ぐらいだろうか。年ごとに並はあったが、大学生が本を読まなくなったこと、満足な文章が書けなくなったことは確かだと言える。手書きからワープロになり、パソコンになって今はスマホで書いている者もいる。ネットでの検索が簡単でコピペが当たり前になったせいだと思う。それに大学を就職予備校のように考える学生が多くなって、興味のあることに時間を費やすことをしなくなったということもある。当然だが、話の通じるおもしろい学生が少なくなった。
・東経大での仕事は僕にとっては大学院が中心だった。コミュニケーション学部が大学院を作ったときに着任して、最初の10年ほどは毎年複数の学生を担当してきた。博士課程まで進んだ学生も10人近くいて、週一回のゼミには数年前まで毎回大勢の参加者があった。そのメンバーを中心に『コミュニケーション・スタディーズ』『レジャー・スタディーズ』(共に世界思想社)、『「文化系」学生のレポート・卒論術』(青弓社)といった本を出してきた。ただ勉強するだけでなく、一緒に生産しよう。そんなポリシーで続けてきた。
・ところで肝心の森の生活だが、できることは専門家に任せず自分でやる、といった信条はまだ続けることができている。ストーブの薪、家のメンテナンス、買い物などなどだ。山歩きはパートナーの病気で中断気味だが、数年前から自転車に乗るようになって、昨年ロードバイクに乗り換えてからは、天気のいい休みの日にはほとんど乗っている。退職したら準備をして富士山周辺を一回りしたり、五合目までのヒルクライムにも挑戦したいと思っている。
・研究室の本はもう8割以上、家に持ち帰った。春休みに作った書架はほぼ満杯になったから、いらない本や書類の整理もしなければならない。書斎や寝室は本でいっぱいだが、さて、晴走(工)雨読となるのだろうか。大学を辞めたら研究も辞め。今はそんな気分だから、本は積読状態になってしまうかもしれない。もっとも、ずらっと並んだ背表紙を眺めるだけでもいいかも、なんてことも思っている。
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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。