2021年5月31日月曜日

宮入恭平・杉山昴平編『「趣味に生きる」の文化論』

 

shumi1.jpg・「趣味に生きる」とはどういうことか。生き甲斐を趣味に求めるということ?あるいは、趣味を生きる糧にするということ?題名から考えたのは、そんな疑問だった。一般に「趣味」とは、仕事や家事や育児などといった、しなければならないことのほかに、自分の興味に従って、時間やお金やエネルギーを費やすこととして考えられている。その意味ではあくまで「余暇」として嗜むことである。

・しかし、この本が扱っているのは、ほどほどにではなく、本気になって「マジ」で取り組む「趣味」である。全体を通じてキイワードになっているのは、「カジュアルレジャー」と対照させた「シリアスレジャー」という概念である。それは「アマチュア、趣味人、ボランティアによる活動で、彼・彼女らにとってたいへん重要でおもしろく、充足をもたらすものであるために、典型的な場合として、専門的な知識やスキル、経験と表現を中心にしたレジャーキャリアを歩みはじめるもの」(R.ステピンス)である。

・このような定義の元で、ここでは「お稽古事」「ボランティア」「ランニング」「バンドマン」「演劇」「将棋」「囲碁」「アイドル」などが事例として提供されている。あるいは自主的な放送として始められた「CATV」や「LGBT」に関わる活動への参加、そして学校という場における「部活動」や「発表会」に目を向けている。また、趣味を通じての関わりを「趣味縁」として、「SNS」や日系人の歌う文化、スポーツを通じた観光まちづくりなども話題にしている。

・もちろん、「シリアスレジャー」としての「趣味」といっても、そこには多様な側面がある。プロとしてお金を稼ぐわけではないが、高度な技術や能力の獲得をめざすものもあるし、プロをめざしているがアマチュアに留まっているという場合もある。仕事と余暇を明確に区別して行うこともあれば、境界が曖昧になるほど夢中になって、生活がたち行かなくなる場合もある。あるいは社会活動や政治的な行動のように、「趣味」とは言えない領域に生き甲斐ややり甲斐を求め、感じる人もいるだろう。この本を読めば、そんな「趣味に生きる」現状がよくわかる。

・日本の大学には「観光」について学ぶ学部はあっても、「余暇」や「レジャー」と名のつく講義すらない。それは「趣味に生きる」ことが、まっとうな生き方として考えられてこなかったし、今でもそう思われていないことの証である。「趣味」はあくまで、自由な時間に行われるべきもので、それは「仕事」などの「生業」を侵してまでやってはいけないものなのである。そして現在では、その「生業」自体が、不安定で低収入な状況になっている。その意味では、今は「趣味に生きる」ことが、極めて難しい時代なのだと言う視点が希薄な感じがした。

・さらに、超高齢化社会になって、定年退職をした後に数十年も、何か趣味を見つけて生きなければならない人が急増した時代でもある。毎日が日曜日という日常は天国でもあり、また地獄でもある。執筆者のほとんどが若い人たちだというせいもあって、この本にそんな視点がないのも、老人である僕には、少し物足りなかった。

2021年5月24日月曜日

原木とリフォーム

 


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forest175-2.jpg・待ちに待った原木がやっと来た。家の周りは付近から調達した木を積んでしまっているから、アルプス積みを二つ作った。雨ざらしになるから、一番上には松の木を置いた。例によってチェーンソウで玉切りして、斧で割ったのだが、チェーンソウの力が弱くなって、切るのに苦労をした。あれこれ点検して見たがほとんど改善しなかった。買ってから10年経っているから、もう寿命なのかもしれない。何とかごまかしながらすべて切り終えたが、秋には新しいチェーンソウを買おうかと思っている。もう斧はやめて薪割り器を買ったらと言われているが、まだしばらくは斧で行けるのではと思っている。

forest175-3.jpg・それにしても、この冬は薪の調達に苦労した。家の木を何本も伐採したし、付近の倒木を玉切りして、車に乗せたり、一輪車で運んだり、時には肩に担いで運んできた。そのしんどさに比べれば、買った原木を玉切りして斧で割るのは、ずいぶん楽な仕事だった。今年の冬は暖かくて4月になるとすぐに、燃やすのを止めてストーブの掃除をしてしまったから、薪の消費量はずいぶん少なかった。だから、今回調達した3立米は次の次の冬用になるだろうと思う。とは言え、原木の調達に苦労するのはこりごりだから、秋になったら早めに、原木を買うつもりだ。

forest175-4.jpg・ところで、わが家はもう築30年を超えた。雨漏りすることもあって、この際、悪いところはすべて直すことにした。屋根は張り替えではなく、上に新しいガルバリウムという素材を貼りつけていくようだ。ムササビが入って難儀した穴も塞いでもらったり、腐ったところや老朽化した箇所をなおしてもい、自分ではできない高いところの塗装もしてもらうことにした。で、まず足場を組むところから始まったのだが、半日で組み上げたのにはびっくりした。でき上がったところで登って、ストーブの煙突掃除をした。急傾斜で行けないところだったが、ススはほとんどたまっていなかった。

forest175-5.jpg・5月の中旬だというのに異常に早い梅雨入りである。立山には天気予報を見ながら直前に予約したから、絶景を楽しめたが、これからはどうか。工事も大変だが、山歩きも自転車も思い通りに行きそうもない。連休中にはそれなりに増えていた観光客も、最近はかなり減ってきた。施設が休業しているところもあるから、緊急事態が解除されるまでは、静かなままだろう。天気が良ければ山歩きや自転車をやりたいのだが、さてどうなるか。やる気はないが、ワクチン接種の予約券はまだ来ていない。国は高齢者への接種を7月末までに終わるよう自治体をせっついたようだ。しかし、ワクチン自体が来ていないのだから、お話にならない。もう言い飽きたが、やっぱりバカな大将コロナより怖いである。

・2階の窓から見える足場にキビタキが留まった。東南アジアから飛んできたようだ。慌ててiPhoneで撮ったが、すぐに飛んでいってしまった。泣き声に特徴があるようだから、これからも聞けるかもしれない。


2021年5月17日月曜日

春の立山、大谷歩き


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photo91-2.jpg・普段だったら取れるはずのないホテルが予約できたので、立山の大谷歩きに出かけることにした。扇沢までは車で行き、そこから電気バスで黒部ダムへ。ダムを歩いた後はケーブルカーとロープウェイで大観峰まで登り、最後はトロリーバスで室堂まで。7時に家を出て室堂に着いたのは12時近くだった。ほとんど乗り物の乗り継ぎとはいえ、登った階段は半端ではなかった。重いリュックと高地のせいか、急登には慣れているはずなのに息が上がった。しかし、天気が下り坂だったので、ホテルにリュックを預け、スノウシューを借りて歩くことにした。春とはいえ、山は1度で、手がかじかんだ。

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・それにしても、ロープウェイから見る大観峰と立山の眺めは圧巻だ。以前に来て見た夏山も雄大ですごかったが、雪をまとった景色はまた全然違った。周囲には既に雪の解けた山もあったが、残念ながら、山の名前はほとんどわからなかった。黒部ダムまでのトンネルは赤沢岳と成沢岳を貫通させているから、その左にあるのは爺ヶ岳と鹿島槍ケ岳で、右には針ノ木岳や船窪岳、大観峰から室堂までのトンネルは雄山を貫通しているのだと、後から調べて確認した。

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・スノウシューで歩いていると、青空が消えて雲に覆われはじめた。そうすると、あたりは真っ白になり、冷たい雪が降ってきた。1時間ほどで歩くのを止め、ホテルに戻ったが、もう何も見えない風景に様変わりしていた、残念ながら夜の星は眺めることができなかったが、翌朝はまたきれいに晴れ上がって、帰りの行程でも北アルプスの光景を堪能することができた。

2021年5月10日月曜日

Bloggerを始めました

 僕は今、ホームページの他にブログを公開しています。ホームページは1996年に始めて、勤務先が変わった1999年から現在のページになっています。おかげさまで23年かけてカウント数が100万近くになりました。ブログはホームページと全く同じもので、2011年にゼミの学生と一緒に作リ、現在まで続けています。どちらも大学内のサーバーにありますが、ブログのソフト(Movable Type)が古くなって、7月で更新できなくなると連絡を受けました。で、新たにブログを作る必要が生まれました。

僕のホームページは、今でもHTMLを打ち込んで作成しています。ブログを始めた時に、その必要がほとんどなくなったことに驚きましたが、それでホームページをやめようとは思いませんでした。一度作ってしまえば、新しい更新記事を構成するHTMLは大体コピペで済んでしまいます。それほど面倒に感じなかったことが、今まで続いた理由だと思います。もっともHTMLもずいぶん進化しているようですが、僕の知識は始めた頃のままで留まっています。ホームページという名称は表紙になるフロントページをさしていますが、Tシャツも掲示板スタイルも最初から変わっていません。おそらくやめる時まで変えないだろうと思います。

さて、ブログの更新をどうするか。そこでBlggerにチャレンジしてみました。新しいことをやろうと思えば、何であれ、最初はわからないことだらけです。背景をどれにするかいろいろ試してみましたが、気に入るものがなくて、結局無地のシンプルなものにすることにしました。サイドバーには「カウンター」や「関連サイト」、それに「お気に入り」などを入れ、カレンダーもつけました。Bloggerだけ見ていては、どうすればそれができるのかわからないので、それぞれGoogleで「Blogger カウンター」などと検索して、見よう見まねで作っていきました。で、まずは最初の一つを公開ということになりました。ひと月ほど前のことです。

実際に作ってみて、誰かのページに似ているなと思いました。すぐに同僚だった川浦さんのサイトだと思い当たって、確認するとサイドバーに「過去の記事」と「記事カテゴリー」がありましたから、これも参考にして作ることにしました。そうすると過去の記事を追加したくなります。さて投稿日を明記してアップするにはどうしたらいいか。あれこれ探すと日時を指定できることがわかりました。こうなると、今まで公開した記事をすべて載せたくなりました。一気には無理ですから、とりあえず過去1年ぐらいをやってみることにしました。

Bloggerが優れていると思ったのは、Blog {Movable Type} の記事をコピペすれば、そのままほぼ同じものになることでした。画像の位置や大きさは少し修正する必要がありましたが、画像をいちいちアップする必要がないのは驚きでした。ページのソースがどうなっているのか調べると、HTMLもそのままにペーストしていて、画像はホームページとリンクされていたのです。これなら、ホームページの他にブログをアップするのに、手間はそれほどかかりません。1年分をアップすると数時間かかりますが、少しずつやれば、数ヶ月あればすべてアップできるのではないかと思います。

僕のホームページは25年続いていて、画像もかなりの分量になっています。動画はほとんど載せていませんが、画像の解像度をあまり落としていませんから、Blogger用に解像度を落とす必要があると覚悟していました。しかし、大学のサーバーとリンクしているのなら、bloggerに画像をアップする必要はなくなります。とは言え、これを機会に、画像の点検もして、ホームページも軽量化しようと思っています。

今までのブログに新たな更新はできなくなりますが、まだしばらくは公開され続けるようです。しかし、いつ閉鎖されるかわかりませんから、これまでブログに訪問されていた方にはBloggerに変更していただきたいと思います。もちろんホームページそのものは、これからも変わらず更新しますから、そちらにおいでの方には、特に変更する必要はありません。どうぞ下のボタンをクリックしてBloggerをご確認ください。よろしくお願いします。 


2021年5月3日月曜日

バカな大将ウィルスより怖い


TBSの「サンデーモーニング」は、報道としては例外的に視聴率の高い番組で、僕も毎週観ている。半年ほど前に佐高信が出て、菅首相を批判して、「バカな大将、敵より怖い」と言ったのを聞いて、思わず笑ってしまった。彼はその後、この番組に出ていないから、官邸から批判があったのかもしれない。しかし、コロナ禍の現状が政府の失政によるものであることを思えば、まさに「バカな首相は、コロナより怖い」である

もっとも、「バカな大将、敵より怖い」は佐高信のことばではない。北洋銀行の社長だった武井正直の講演集のタイトルで、佐高はそのことばを引用したのである。武井はバブルの時に、過剰な融資をしなかった人であり、バブルがはじけて破綻をした拓殖銀行を合併吸収した人である。気骨のある人で、佐高によれば、勲章を拒否したり、新入社員の入行式で「法律、人倫にもとる命令は、たとえ上司でも、従わなくて結構だ」と言ったようである。(社民党ニュース)その武井正直は2012年に亡くなっているが、生きていれば、バカな大将ばかりの現状に怒りを爆発させたことだろう。

コロナ禍はいよいよ深刻さを増してきている。大阪は既に医療破綻してしまっているし、東京の感染者も急増しはじめている。日本のワクチン摂取率はまだ1%を超えたところなのに、3ヶ月後に迫ったオリンピックをまだ諦めていない。そのために、選手や役員に毎日PCR検査をして万全を期すというが、医者や看護師がのべ1万人以上も必要になるようだ。現状でも医師や看護師不足が深刻なのに、一体どこから集めてくるというのだろうか。

菅首相はオリンピックの中止を決断するのはIOCの権限だから、自分では決められないと言う。しかし1年前に延期の判断をしたのは、安倍前首相だったから、責任逃れにしか聞こえない。もっともオリンピックは国ではなく都市が開催するものだから、都知事の判断が一番重要かもしれない。しかし小池都知事も、最近妙に沈黙を守っている。中止をせざるを得ないのに、誰も自ら判断して公言できないでいる。で、聖火リレーもやめずに続けているのである。

それにしてもバカな大将がこれほど多いとは、とあきれ果ててしまう。大阪の惨状はイソジン吉村知事と雨合羽松井市長のせいだし、暮からの第三波を招いたのは菅首相と二階自民党幹事長が勧めた「Go to キャンペーン」のせいだろう。で、聖火リレーを始めるためにと解除した緊急事態宣言を1ヶ月あまりで再宣言する慌てぶりである。森元会長も哀れな辞め方をしたが、後任の橋本も、五輪担当の丸川もそのお粗末は変わらない。

コロナは怖い。だけどその怖さを恐れない政治家たちはもっと怖い。さらに、これほどお粗末なことが繰り返されているのに、ほとんど批判らしいことを言わないメディアの無力さも恐ろしい。補償がない自粛要請など聞く必要はないし、オリンピックにボランティアで借り出される医者や看護師も拒否したらいい。バカな大将にとって一番怖いのは、お前はバカだと皆から言われることなのである。

2021年4月26日月曜日

 

子育て日記に想うこと

kudo1.jpg・工藤保則さんから本が届きました。『46歳で父になった社会学者』(ミシマ社)というタイトルに、おやおやと思い、笑ってしまいましたが、読みはじめると、他人事ではなかったな、と反省してしまいました。

・工藤さんのパートナーは出版社で編集の仕事をしています。実は彼女とは2冊の本を出していて、最初の『コミュニケーション・スタディーズ』は彼女にとって最初の編集の仕事であり、2冊目の『レジャー・スタディーズ』は、出産後に復帰してすぐの仕事でした。相変わらずの仕事ぶりに、出産も子育ても順調なのだろうと、勝手に判断していましたが、この本を読むと、大変なことだったことがわかりました。

・本の内容は工藤さんが雑誌に連載していた子育て日記です。46歳になって初めての子育て体験が大変なことがよくわかります。何事も初体験で、それまでの生活習慣をがらっと変えなければならなかったのですから、それは当然でした。もちろんここには、しんどさだけではなく、子どもとつきあうことでもたらされた楽しい経験も、詳細な日記をもとに語られています。

・子どもは二人にとって計画的ではなかったようです。で、彼女には母親になることに対する不安が生まれました。出産前からあれこれ悩み、重いつわりや、出産時の苦闘、そしてその後の体調の悪さを抱え、仕事に復帰しての子育てと続きました。そんなこととはつゆ知らず、本を作る過程で、彼女にあれこれ注文したのではなかったかと、改めて思い起こさざるを得ませんでした。

・僕にとって子育ては、すでに40年以上前のことでした。あー、そんなこともあったなと、思いだすこともありましたが、ずいぶん違うと感じられることもありました。二人がフルタイムの仕事をしていれば、子どもは預けることになります。しかし、僕らはフリーで仕事をしていましたから、どちらかが家にいるローテーションを組んで、子どもを預けることはしませんでした。これは二人目の子どもの時も続きましたから、僕らの子どもたちには、保育所や学童保育の経験はありません。

・二人がフルタイムで働いて子どもを育てることが大変なのは、この本を読んでもよくわかります。これでは子どもが欲しくても無理だと思う人が多いのも頷けます。だからといってフルタイムでなければ、経済的に苦しくて生活が困窮してしまいます。その意味では、40年前に比べて、日本は明らかに貧しくなったと言えるかもしれません。そもそも預けることも容易ではないようですから、子どもの数が減るのは当たり前のことなのです。

・もう一つ、「イクメン」などということばが今頃になってもてはやされていますが、男が家事や育児に関わらないことは、40年前だって問題にされていました。僕は積極的に関わり、そのことを新聞や雑誌に書きましたし、テレビでも取り上げられたことがありました。半世紀近く経っても現状がさほど変わっていないことに、日本社会や男たちの意識の低さを感じます。それだけに、もう若くはない年齢になって家事や育児に奮闘する工藤さんには、がんばれ!とエールを贈りたくなりました。

・僕は自分自身が求め、経験したライフスタイルを研究対象にして何冊かの本を書きましたが、井上俊さんから「私社会学」と言われました。この本には、そんな特徴を感じて親近感を持ちました。

2021年4月19日月曜日

 

MLBがおもしろい

・MLBも去年は60試合で無観客で行われた。ダルビッシュや前田が活躍してそれなりに面白かったが、観客のいない試合は、やはり淋しかった。さて今年はどうなるのか、心配していたが、キャンプもスケジュール通り行われて、開幕にも漕ぎつけた。観客は2割とか3割だが、歓声の聞こえる試合はやはり盛り上がる。

・一番注目しているのは大谷で、去年は投げるのも撃つのも不調だったから、今年はどうかとキャンプ中から気になっていた。そうすると撃つは撃つは、特大ホームランを連発し、打率は5割を超えたし、投げても100マイルを超える速球で三振を取った。コントロールに課題が残ったが、今年の活躍を期待させる、十分な成績だった。

・好調さは開幕後も続いている。指の豆がつぶれて、投げるほうはまだ一回だけだが、スピードは十分で、投げた日にホームランも撃って、話題になっている。身体的には十分に回復しただけでなく、より強くなっているようで、この後の活躍が楽しみになった。エンジェルスは彼の活躍もあって、スタートダッシュに成功して首位を走っている。リリーフ陣も好調だから、終盤に勝ち越す試合も増えている。

・ダルビッシュや前田も引き続き好調だ。今年メジャーに移籍した有原や沢村などもがんばっている。投手に比べて野手の活躍が目立たないが、面白そうなシーズンになることは間違いなさそうだ。そうなると見る手段だが、NHKのBS以外で生中継を見ることができるのは、テレビではスカパーだが、これは契約していない。ネットで見るなら今年はSPOZONEで、年間パスが9900円で1ヶ月だけだと1650円だ。まだ契約していないが、これからの展開次第では契約するかもしれない。

・ところでアメリカのコロナ禍だが、ワクチン接種が進んで減少しているようだ。有原が所属するレンジャーズはテキサス州知事の宣言で、観客を100%入れてもいいことになった。大谷やダルビッシュが所属するカリフォルニア州の球団は33%で、ニューヨーク州は20%となっている。他方でカナダは入出国を厳しく制限しているから、ブルージェイズはトロントではなく、キャンプ地のフロリダで試合をしている。チームによってそれぞれだが、カリフォルニアは6月15日から経済活動の全面再開を宣言しているから、うまくいけばこの日から観客数の制限はなくなるのだろうと思う。

・アメリカは3000万人以上が感染し、56万人以上が死亡した。感染者数が52万人で、死者数が1万人以下の日本とは比較にならないが、アメリカでは終息が見え、日本ではこれからの桁違いの拡大が懸念されている。理由はもちろん、ワクチンの摂取率の違いだ。このまま行けば夏までには、アメリカはあらゆる制限が解除され、日本はまた緊急事態宣言を出さなければならなくなるだろう。スポーツが無観客になり、オリンピックが直前になって中止ということになるのかもしれない。基礎研究をおろそかにしてワクチン開発が遅れていることを含め、失敗の責任はすべて政府にある。 

・追記:エンジェルスとツインズの試合が、選手に陽性者が出たことを理由に2試合中止された。これまでにいくつかのチームで感染者が出て、試合が中止されているし、濃厚接触を疑われる選手が欠場したりもしている。選手の多くは既にワクチン接種を済ませているはずだが、決して安心できないことを改めて知らされた。