2018年11月26日月曜日

自動車を巡る騒動について

 

・ぼくはスバルに乗るようになって、もう30年近くになります。レガシー・ワゴンに一目惚れして以来、現在で6台目です。途中、パートナーと一台ずつの時期もありましたが、今は昨年の暮れに買ったアウトバックに乗っています。ちょうど購入時にスバルの検査不正というニュースがありました。それは改善されたはずでしたが、相変わらず不正が行われていたようで、新聞ではずい分大きく取りあげられてます。

・スバリスト(スバルファン)を自任する者としては当然、けしからんという氣持ちが強いですが、そもそも完成車を最後に検査する必要性の方に、より疑問を感じていました。何しろ検査を義務づけているのは国内販売だけで、輸出車には行われていないのです。ですから必要性の薄れてきた検査をいつまでも義務づけている国土交通省にこそ、批判の矛先を向けるべきなのですが、そんなことを指摘するメディアはほとんどありません。

・合わせていくつかのリコールも発表されましたから、今スバルは踏んだり蹴ったりの状態です。リコールはどこの会社からも出ていて、特にスバルに限ったことではないのですが、売り上げはずい分落ち込んでいるようです。マイナーな車だからこそ好きになったぼくとしては、運転途中で出会うことが少ないことを好ましく思っていますが、社運が傾いたのでは困ります。スバルはこれまでにもくり返し経営危機に陥って、そのたびに不安な気持ちにさせられてきました。

・自動車会社は日本の輸出を支える基幹産業です。その中の三菱自動車は経営危機によって一昨年に日産自動車傘下になりましたが、その日産も1999年の経営危機の際にフランスのルノー傘下に入っています。この3社は「ルノー・日産・三菱アライアンス」と名乗って、それぞれ独自の車種を作り続けていますが、その世界販売台数は1061万台で世界2位になっています。ちなみに1位はフォルクスワーゲン、3位はトヨタでした。

・世界第2位の巨大自動車メーカーである「ルノー・日産・三菱アライアンス」の代表取締役を務めるカルロスー・ゴーンが金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で東京地検特捜部に逮捕されました。役員報酬を50億円過小に記載した罪で、他にも会社の資金を私的に利用したことが上げられています。もちろんメディアは大騒ぎでしたが、ツイッターでは早くから、これほど大騒ぎするほどのことではないとか、日本の政治状況から目をそらすためのスピン(情報操作)ではないかといった発言や、森加計その他の政治家の問題には手をこまねいて何もしなかった東京地検に対する批判が多く見受けられました。

・一体なぜ今、ゴーンが逮捕されたのか。ルノーが日産・三菱の吸収合併に動いていて、日産がそれに抵抗する手段としてゴーン失脚を画策したのだといったことも言われています。実際、ゴーンは日産の取締役会によって会長と代表取締役を解任されました。ルノーはフランスの国営企業だった時代もあり、現在も政府が2割近い株を所有していますから、ことはフランスと日本の国同士の問題に発展しそうです。

・ゴーンが毎年20億円もの報酬を得ていたことに、今さらながら驚く人が多いようです。しかしグローバル企業のトップとしては当たり前の額のようです。日本のトップは一桁違う額のようですが、ぼくとしては、どれほど行政手腕が高かろうと、これほどの金額をもらう価値があるはずはないと考えます。それは各種スポーツのスター級の選手が手にする年俸にも言えることです。他方では暮らすこともできない低賃金で働く人が世界中で増えているという実情もあるわけですから、その不公平さや理不尽さにこそ目を向けるべきではないかと思いました。

・しかし、そもそもそんなに稼いでいったい何に使おうというのでしょうか。どんなに優れていても、金額を聞いたら金の亡者にしか思えなくなる。権力の亡者も含めて、そんな感覚を失いたくないものだと思います。どれほど仕事に対する責任や能力が違おうと、報酬が1000倍も1万倍も違うというのは、絶対に間違っています。安価な労働力を増やすために入管法を変えようとしていることと合わせて考えるべき問題でしょう。

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unknownさんではなく、何か名前があるとうれしいです。