・NHKがBSのデジタル化10年を記念して、「ベスト・オブ・ベスト」というタイトルで、連日長時間、再放送をしている。見た記憶がある番組がかなりあって、もう一度見ているもの、これから見ようと思っているものが少なくない。で、そんな番組を見ながら、このサイトで紹介したBSの番組をふり返ることにした
・ぼくがBSを見始めたのはいつからだろうか。確かではないが、何より一番楽しみにしたのは、野茂が出るメジャーリーグの生中継だったから 1995年頃だろうと思う。見ていたテレビが壊れて、1998年にBSのハイビジョンが見えるテレビに買い換えた。ちょうどサッカーのワールドカップがフランス大会をやっていて、ワイド画面と映像の鮮明さに驚いた記憶がある。いずれにしても、BSの魅力は海外から中継される「スポーツ番組」にあったし、もうひとつはWowowと契約して映画をみることにあった。
・BSハイビジョンはNHKを中心に民放各局が実験的な放送をするチャンネルだった。それを各局が別々に放送をはじめたのが2000年で、この12月でちょうど10周年になる。ドキュメントなどのBSオリジナルの番組におもしろいものが出始めたのはいつ頃からか。この欄で最初に紹介したのは、僕と同年齢で46歳で死んだスポーツ・ライターの山際淳司についてのものだった。「夫・山際淳司から妻へ」というタイトルでBS2で1999年に放送されている。この番組についての僕の文章には「奥さんである澪子さんの話を中心に山際淳司と彼の死後に彼女や息子さんが経験したことの意味を考えたドキュメント」と書いてある。
・その後、取りあげた番組を並べてみると、以下のようになった。
・「花はどこへ行った」(2000,BShi)<
・「はるかなる音楽の道」(2002,BShi)
・「Isamu Noguchi」(2002,BS朝日)
・「アメイジング・グレイス』はどこから来たのか?」(2002,BShi)
・「「世紀を刻んだ歌 人生よありがとう」」(2003,BShi)
・「セディク・バルマク『アフガン・零年』 」(2004,BShi)
・「月尾嘉男がカヤックでホーン岬に行った」(2004,BShi)
・「スマイル〜ビーチ・ボーイズ 幻のアルバム完成」(2005,BShi)
・「Bob Dylan "No direction home"」(2005,BShi)
・「ターシャの庭 」(2007,BShi)
・「エリックとエリクソン〜ハイチ・ストリートチルドレンの10年〜」(2007,BShi)
・「ジャニス・ジョプリン 恋人たちの座談会"」(2008,BShi)
・「伝説の喫茶店(カフェ)物語」(2008,BShi)
・イラク戦争とは何だったのか?(2009,BS)
・「時の旅人 忌野清志郎が問うオーティスの魂より」(2009,BS)
・ベルリンの壁(2009,BS)
・癌細胞の不思議(2009,BS)
・「戸井十月、ユーラシア大陸3万キロの旅」(2010,BShi)
・もちろん、このほかにも見ていておもしろいと思った番組はいくつもあった。NHKは「ベスト オブ ベスト」を12月の大晦日までやるようだ。例えば、朝から夜まで一日中世界を訪ね歩く旅行記を次々放送したりする日もある。番組表を一覧すると、同植物の観察記録、スポーツや音楽、そして戦争や紛争、革命、あるいは環境破壊といった問題に、丁寧に取り組んできたことがよくわかる。民放テレビの駄目さ加減にあきれて、このサイトでも、繰りかえし批判をしてきたが、一方で、見応えのある番組を多くつくってきたことがよくわかる。BSがなければ、僕はほとんどテレビを見なかっただろうと、今さらながらに思う。
・最後に、この後、必ず見ようと思っている番組をあげておこう。
・「シリーズ 青春が終わった日 バブル鎮魂歌(レクイエム) ダンスフロアに消えた青春」
・「アフリカの魂 〜闘う歌手 ユッスー・ンドゥール」
・「世界・わが心の旅「ベルリン 生と死の堆(たい)積」旅人 小田実」
・「パレスチナ響きあう声 〜E.W.サイードの“提言”から〜」