・退職すれば研究室の本を家に持ち帰らなければならない。そのことがずっと気になっていて、壁一面の書架を作ろうと思っていた。1年後だからまだ少し早いが、ネットで見つけた「清く正しい本棚の作り方」や「壁一面の本棚の作り方」といったサイトを見ているうちに、春休みに作ろうかと思い始めた。
・その書籍化した『清く正しい本棚の作り方』(戸田プロダクション)を買い、部屋の寸法を巻き尺であちこち測り、サイズを決めて図面を作った。60cm幅で高さは上下2段で230から250cm。それを5つでワン・セットにして、最大で4セット作ろうということになった。
・木材はシナランバーという合板でと考え、ネットで18mmの厚さで3x6サイズ(約90cmx180cm)を探すと、北海道と九州の店に適当な品物があった。とりあえずワン・セットを作ることにして九州の店にカット図面を送って見積もりをしてもらうと、送料込みで5万円を超える額になった。4セット作ると20万円だが、作ってもらうと100万円を超えてしまう。
・それで注文しようかと思ったが、その前に、必要な工具や材料を買いに近くのホームセンターに出かけることにした。そうすると、ラジアタパインという集成材が大量にあるのを見つけた。シナランバーより少し高いが、木目がきれいで表面もなめらかだ。カット料も安いし、運送費もいらないから、総額では安くなる。偶然の幸運とさっそく購入して、車に積んで持ち帰った。
・作業はカットした木にドリルで穴を開け、そこにドライバーで木ねじを入れて側板と棚板をくっつけていく。その一つ一つに木工セメダインも付けていく。要するにただそれだけのことだが、手際よくできるまでには、何度も失敗した。しかし、とりあえずワン・セットを作って、仮に本を並べていくと、7割方の本が収まった。
・で、木材がなくならないうちにとホームセンターに行って、さらに2セット分を買ってカットしてもらった。きちんとカットしてもらったら、それで半分の作業は終わったようなものだ。ただここまで10日ほどかかっているからまだまだ終わらない。
・ラジアタパインは白くてなめらかだから、そのままでもいいのだが、カビがついたり汚れが目立ったりしないようにと塗装もすることにした。で、すでに買ってある水性のペンキでと思ったのだが、パートナーの強い要望で、イギリス製のワトコオイル(亜麻仁油)にすることにした。Amazonで注文したのだがかなり高く、1Lで2600円(ホワイト)3.6Lで9000円(ウォルナット)もした。これで全部を塗れるかどうかわからないから、ホームセンターでももう1L(ナチュラル)を買った。材木より高い買い物だが、なかなかいい感じに塗れている。
・というわけで、まだまだ完成には時間がかかるが、毎日夢中になって作っている。外は寒いからなかで大工作業をし、少し暖かくなる午後に外で塗装をする。順調にいけばあと数日で完成だ。急ぐ必要はないがまだ薪割りも残っているし、暖かくなれば自転車にも乗りたい。もう1セットは、またラジアタパインを見つけた時までのお預けにしておこう。
・さて出来上がったら、研究室の本を車で運ぶことになる。いつからはじめようか。蔵書は1万とは言わないが5千冊は超えている。あまり早いと研究室が殺風景になるから、一年かけて少しずつやるつもりだ。