2026年10月19日月曜日

政権支持の不思議

・簗農相の更迭で高市政権の支持率も少し下がったようだ。当然だが、この政権を支持する人がまだたくさんいることに不思議な気がしてしまう。高市首相のやっていることはお粗末なことが多いし、危険だと感じることも少なくないからだ。簗農相の更迭に際して、彼女は「ダサい」ということばを使った。農相がしたことの問題は、選挙区で支持しなかった首長のいる市や町の道路予算を国交省に圧力をかけて減額させたことにある。あるいは選挙活動で支持者を無料で用意したバスで運んだことが選挙法に抵触するといった疑いである。しかし「ダサい」というのは、その問題自体に対してではなく、簗農相の答弁に向けたもので、彼女はその「言い訳が格好悪い」と評したのである。

・前回の衆議院選挙で簗は落選して比例復活している。それを根に持っての選挙区自治体に対する仕打ちだが、選挙中に高市は応援に行って「私の大事なやなちゃん、知恵袋のやなちゃんがいなかったら本当に大変です」とまで言ったが当選できなかった。しかし、よほどのお気に入りだったのか、比例復活なのに農相に抜擢したのである。彼は裏金議員として24年に役職停止6ヶ月の処分を受けている。第二次改造内閣には彼の他にもう一人文科大臣に就任した関 芳弘がいるし、副大臣や政務官には10人も登用しているのである。当然世論もこのような改造内閣には厳しく、毎日新聞の調査では評価するが23%で、しないは39%だったが、おかしなことに政権支持は微増したのである。

・すでに「高市・トランプとメディアの対応」でも書いたが、高市首相の訪米での行動はお粗末そのものだった。しかし、マスコミはそのことに触れず、むしろかつての日本を敵国にしたことを理由に米中の親密さを強調したことに批判の矛先を向けたのである。第二次大戦中の中国と現在の体制は違うといったものだが、国共合作だったことを無視しているし、日本自体も大戦時と現在は別ものだから関係ないとでも言いたいかのようである。米中接近で高市の台湾有事発言が陳腐化していることは言うまでもないが、彼女はそれを改める気はないようだ。

・「世界の真ん中で輝く外交」などと大見得を切ったのに醜態を晒したことに懲りたのか、高市首相はオンラインで開催されたG7会議に欠席をした。それが緊急に設定されたことを理由にしているが、その時間に彼女には公務がなく、麻生太郎らと会食をしていたのである。G7会議に出ても末席にいるだけで何も目立たないことは明らかだし、他の出席者のほとんどが英語での発言だから、一人通訳を介してなどはやりたくなかったのかもしれない。自分のイメージを落とすようなことはしないのが、彼女にとっては何よりの優先事項なのである。

・日本はGDPでインドやイギリスに抜かれて世界で6位になると予測されている。政権の目玉は積極財政でAIや半導体の成長分野ヘの投資を挙げているが、この分野は日本は遅れに遅れていて、投資をしても成果が上がるかは不確かである。あるいは軍需産業への投資も掲げているが、兵器は実践で使われてこそ能力が高められるから、それができないのにどれほど魅力的なものになるのか疑問が投げかけられている。

・今国会での政権の目玉は食品にかかる消費税を8から1%に下げるというものである。物価高騰の折から消費税が下がれば大きな支持を得られそうだが、実際はそれほどでもないようだ。理由はその財源が明らかにされていないことにある。またこの減税は限定的なもので2年後には元に戻すことになっているのである。軍事費の増額も含めて国債発行に頼る他はないのだが、政権はそのことに全く触れていない。

・こんなひどい現状なのに高市政権の支持率は微増や微減だったりする。メディアがまともな違反をしないどころか、政権を支えるような発言をしているのが一つの理由だが、多くの人、とりわけ若い人たちには深刻な現実を見つめるのではなく、嘘でも希望を与えてくれそうな人を支持したい。そんな気持ちを感じたりするのは、老人の杞憂なのだろうか。

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